「フィッシュストーリー」とセックス・ピストルズ

格安のイギリスツアー!

    フィッシュストーリ

    伊坂幸太郎の短編小説【フィッシュストーリ】に収録されている『フィッシュストーリー』という短編小説から映画になった作品があります。映画「アヒルと鴨のコンロッカー」を手掛けた中村義洋監督をはじめとして、ほぼ同じ制作スタッフで制作された映画『フィッシュストーリー』です。伊坂幸太郎原作と中村義洋監督コンビで「アヒルと鴨のコインロッカー」からの第二弾でもあります。そして『フィッシュストーリー』には、実力派若手俳優が多数出演していて、音楽プロデューサーに斉藤和義が担当しています。ストーリーの中に劇中のバンド「逆鱗」もありと、音楽も一緒に楽しめる映画です。

    あらすじ

    2012年。街は静まり返っています。人びとはあちらこちらへと避難していて街には人の姿がみえません。なぜ人びとが避難しているのか・・。それはあと残り5時間で彗星が地球に衝突するからです。

    静まりかえっている街の中で、たった一軒だけ営業を続けているお店がありました。それはレコード店です。レコード店内にはパンクバンドの曲が流れています。その曲は“FISH STORY”。この曲は70年代に解散したマイナーなパンクバンドの曲です。レコード店ににいるのは、店長(大森南朋)と不気味な車椅子の客の谷口(石丸謙二郎)です。客の谷口が「もうすぐ世界が終わる」と語っていますが、店長は「正義の味方が世界を救んだ」と言い返しています。

    1982年。仲間と車で合コンに参加しているのは気の弱い大学生の雅史(濱田岳)です。車の中で1人が“FISH STORY”という曲にまつわる不気味な噂を語り始めのでした。それは“FISH STORY”の中で、無音になる1分間の間奏の間に、女性の悲鳴が聞こえるという噂です。合コンの後で雅史は一人さびしく帰宅する途中に、カーステレオから音楽が流れてきます。流れてきたのは“FISH STORY”そして雅史はその間奏で女性の悲鳴を耳にするのでした。

    1999年。【ノストラダムスの大予言】によると、世界が終わるとされている7の月です。「明日!世界が終わる」という谷口の予言を信じて人々が集まります。しかし、その翌日も太陽はキラキラサンサンと輝いていたのでした。明日世界が終わる!という予言をしていた谷口は、人びとから責められています。そして責められた谷口は『2012年に世界の終わりが来る!!』と叫ぶのでした。

    2009年。修学旅行の最中のフェリーで、ぐっすりと眠りこんでしまってフェリーに置いてけぼりになったしまった女子高生の麻美(多部未華子)。1人ぼっちになって泣きじゃくっていた彼女に優しく語り掛けてきたのは、コック(森山未來)がいました。泣きじゃくる麻美に優しく話しかけるのですが、コックは麻美に「正義の味方になりたかった」と話すのでした。そんな時に、フェリーがシージャックされました。

    1975年。ここにパンクバンドの【逆鱗】がいます。まさに解散直前です。逆鱗メンバーはベースでリーダーの繁樹(伊藤淳史)、ボーカルの五郎(高良健吾)、ギターの亮二(大川内利充)です。【逆鱗】が解散する前の最後のレコーディング曲が“FISH STORY”でした。

    また再び2012年。彗星の衝突までもうのこりわずかの時間とどんどん時間が迫ってきます。

    正義の味方・売れなかったレコード・世界の終わりとそれぞれの時代で、なんの関係もないような事柄でなんの関係性もないと思われていたすべての出来事が、“FISH STORY”を通して遂に一つにつながったときに、世界を救うことに進むのでしょうか……!?

    時系列でのあらすじ その1

    1953年

    日本は戦後から急速に復興していたといっても、まだまだ戦後の混乱が残っているこの時代。零細出版社の万國堂書店(社長: 中村有志)では、一冊の本を翻訳出版したいと思っています。その本は、John G. Ferneyhough 「FISH STORY」でもなかなか翻訳者が見つからないのであります。

    そんなところに、ハーフの青年・哲郎(岡田眞善)が万國堂書店へやって来て、就職を希望しました。ハーフの青年ということに、これはなんと嬉しいことだ!と手放しで喜びました。

    しかし、ハーフの青年は見た目はハーフ。顔立ちはハーフとしか見えませんが、実は・・生粋の江戸っ子で浅草出身。ハーフじゃない青年だったのです。ハーフじゃない青年に翻訳してしまいますが、彼の翻訳は、辞書と首っ丈の直訳調。おまけに誤訳だらけ・・。。結果は、大量の返品と廃版在庫の山となってしまい苦境に立たされてしまいます。それが、小説「フィッシュストーリー」(ジョン・G・ファーニホウ、富樫哲郎訳:万國堂書店)です。"Fish Story" とは、釣り人が逃した魚を「大魚だった」とオーバーにして話しをするように、まさに"ホラ話"のことを"Fish Story"というのですが、表紙の副題には"僕の孤独が魚だとしたら そのあまりの巨大さと獰猛さに 鯨さえ逃げ出すに違いない "と誤訳していました。

    そして1人の女事務員(浅野麻衣子)が出版社を去る時に、この本を思い出にと持ち帰り、それから長く本棚に眠ることになるのでした。

    1953年キャスト

    • 出版社社長・・・中村有志
    • ハーフじゃなかった青年・・・岡田眞善
    • 女事務員、岡崎憲夫の叔母・・・浅野麻衣子

    1975年

    1970年に解散したザ・ビートルズから5年が経過した、1976年にパンクミュージックシーンに先駆的パンクロックバンド【セックス・ピストルズ】がデビューしました。その【セックス・ピストルズ】デビュー1年前の1975年に、に日本では「逆鱗」(げきりん)というパンクバンドが存在していました。メンバーは4人で、リーダー兼ベースの繁樹(伊藤淳史)、ヴォーカルの五郎(高良健吾)、ギターの亮二(大川内利充)、ドラムの鉄矢(渋川清彦)です。しかし世間には認められていないバンドで、鳴かず飛ばずの状態が続いていました。彼たちが所属しているレモンレコードでは、プロデューサーの谷(眞島秀和)からバンドを担当する岡崎(大森南朋)に対して、ヴォーカルの五郎だけはソロとして残留させてもいいが、残りの3人は契約解除することを指示されていました。岡崎は、せめてもう1枚だけでも・・と説得するのでした。

    吉祥寺にあるGOK SOUNDスタジオ(吉祥寺)では、予算のために一発録り(いっぱつどり)でメンバー4人で最後のレコーディングへと臨むのでした。リーダーの繁樹は、たまたま岡崎が叔母から借りていた「フィッシュストーリー」という本から引用した「FISH STORY」の曲を作りあげるのでした。

    ♪♪♪「僕の孤独が魚だとしたら そのあまりの巨大さと獰猛さに 鯨さえ逃げ出すに違いない」♪♪♪

    曲のサビをしびれるように歌い終えた五郎が、複雑な胸中からか間奏の途中に、穏やかにトークを入れはじめます。

    「これ、いい曲なのに誰にも届かないのかよ 嘘だろ。俺達、全部やったよ。やりたいことやって 楽しかったけど ここまでだった。届けよ。誰かに」 と。

    しかしこの間奏部分の叫びは編集でカットされて、前代未聞の無音となるのでした。

    1975年キャスト

    • 繁樹「逆鱗」のリーダー兼ベース・・・伊藤淳史
    • 五郎「逆鱗」のヴォーカル・・・高良健吾
    • 亮二「逆鱗」のギター・・・大川内利充
    • 鉄矢「逆鱗」のドラム・・・渋川清彦
    • 波子:繁樹の彼女・・・江口のりこ
    • 谷:レコード会社のプロデューサー・・・眞島秀和
    • 岡崎憲夫:レコード会社のディレクター・・・大森南朋
    • 岡崎の息子・・・原正幸(子役)

    1982年 

    大学生の雅史(濱田岳)の性格は、気が弱くとても優しいために、いつも性悪な学友の健太郎(山中崇)と悟(波岡一喜)にいいように利用されていました。そしてある日の夜も、2人が合コンへ向かうために雅史はタクシー代わりに車と運転を指示されているのでした。そして車中でも2人達から散々小馬鹿にされながらも運転しています。雅史が手に入れたカセットテープを掛けると、車の中にはロックが流れてきます。雅史は実は逆鱗の隠れファンでした。

    流れてきた曲は10年前に解散した「FISH STORY」。そして間奏部分では音楽が途切れて、無音のところに差し掛かります。雅史は、この無音の部分で囁かれている奇妙な噂を話します。女の悲鳴が聞こえるんだよ。と話ますが2人はまったく耳を貸しません。「聞こえる奴にしか聞こえないんだって」と雅史はつぶやきます。

    女学生達との合コンが騒がしく続いていますがその合コンの中で、霊感があると言われている晴子(高橋真唯)が、雅史の耳元で「【FISH STORY】を聴いたあなたは、今夜、運命の女性と出逢って、いつか世界を救う重要な役割を担うことになる」とささやきながら予言されのでした。

    健太郎が春子をラブホテルに強引に連れ去っていくのを、何もできずに雅史はただ見送ることしかできませでした。そして「あなたは、馬鹿にされ続けたままでいいの? 一度でも立ち向かったことがあるの?」という春子の残した言葉が自分自身を責めるように、雅史は自分のふがいなさに苛立ちながら、深夜の車を走らせのでした。

    車で「FISH STORY」を再生すると突然、音楽が大音量に響き無音部分になったその時に、女性の悲鳴が飛び込んで来ました!雅史は暗闇の中で、強姦魔に襲われている女性(大谷英子)を見つけましたが、まるで金縛りに遭ったようにまったく動くことができません。

    夜空の暗い雲が切れて月が現れた瞬間に、どこからか勇気が湧き上がり、雅史は道端にあった棒きれを拾い上げて、振りかざしているのでした。

    1982年キャスト

    • 雅史・・・濱田岳
    • 健太郎:雅史の友人・・・山中崇
    • 悟:雅史の友人・・・波岡一喜
    • 運命の女性:岳と結婚・・・大谷英子
    • 晴子・・・高橋真唯
    • 由紀:晴子の友人・・・加藤侑紀
    • 綾:晴子の友人・・・井上佳子
    • 強姦魔・・・滝藤賢一
    時系列でのあらすじ 時系列でのあらすじ2 主題歌&制作スタッフ セックス・ピストルズ God Save the Queen
    シド・ヴィシャス その1 シド・ヴィシャス その2 記録 勝手にしやがれ!! シド&ナンシー